国立の桜

四季酩酊 第130回

酒坊

今年の桜が頑張っている。東京は福岡と同じ4月21日に沖縄を除いて一番早く開花宣言がされた。4月までもたないと思っていたら、寒の戻りやらで頑張っている。入学式に間に合わせようと天の采配であろうか。

18年前の住処は国立だった。国立の桜まつりは毎年4月の第一土日に行われる。年々桜の開花時期が早くなる傾向で、桜まつりの当日は散っていることが多くなったが、まつりの時期を遅らせることは無かった。土曜日の朝に思い立った。「国立に行こう」桜まつりの大学通りには屋台が並び、多摩の酒の利き酒大会もあった。利き酒のリベンジを思いついたのである。

頭の中では、当時住んで居た南武線の矢川駅に降り、矢川通りから、桜通り(百恵ちゃんと友和の家がある)を抜けて大学通りを歩き、国立駅から帰ろうと考えていた。が、妻に言ったのは「なんか疲れるから、大学通りだけにしよう」と言った。これが間違いのもとだと知ったのは家に帰ってからで後の祭りだった。

国立駅のシンボル「三角の駅舎」は解体して保存してあることは知っている。復元のためのスペースはシートで覆われていた。国立駅に降りて唖然とした。桜並木は予想以上にきれいだが、屋台がひとつも見えない。昔、桜の下の芝生で呑んで騒いだが、その芝生には柵があり芝生は消え、花が咲いていた。

当然利き酒なんかやっていない。1㎞続く直線の中ほどに歩道橋がある。そこの中央から両側の桜を撮るつもりだったが、歩道橋はなかった。18年の移り変わりを実感した。一橋大学の構内を散策して、昼食を食べて、様変わりした駅ビルを覗いて帰途に着いた。

★ 帰ってからネットで検索すると、さくら通りの「第三公園」で桜まつりは行われていた。これで来年も国立の桜を見る理由ができた。以前にも増してきれいな桜は2000年に発足した「くにたち桜守」が奮闘している。時には、高校が学校ぐるみでボランティアをしていると言う。

桜まつりの利き酒も幻に  酒坊

2 thoughts on “国立の桜

  1. 平成元年に大阪から転勤で桜とは反対の国立駅の北側(国分寺市)に
    引っ越して来て30年になります。
    出不精のうえ酒も句も嗜まない私でもこの桜見物は毎年楽しんでいます。
    散歩を兼ねてカメラ片手に大学通り、さくら通り、鉄道総研周辺などを一巡します。
    家人には毎年同じ写真ばかりと笑われますが、パソコンや携帯の待受画面に設定するなどして一人悦に入っています。
    ここ数年、桜の樹の老木化と手入れの跡が目立ちますが、永いものでは樹齢70年だとか。今年は満開の最中新元号の発表が行われ一層のこと時の流れを感じさせられました。
    「くにたち桜守」のような存在は心強いですね。こうした活動などで桜の輝きがいつまでも続くことを祈っております。(勿論見物する側の健康も・・・)

    1. 中村さんコメントありがとうございます。
      今は八王子在住ですが、その前は国立の谷保、その前は国分寺の恋ヶ窪に住んでいました。中村さんは今、国分寺なのですね。懐かしい言葉に出逢いました。
      今年も「国立の桜」は見事でした。
      昔、大学通りの本屋(増田書店)で作家の山口瞳や嵐山光三郎と出会ったことなども思い出されます。
      寺山修司じゃないが「書を捨てよ 町にでよう」で幾つになっても街歩きが必要ですね。

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