家を塗る

四季酩酊 第131回

酒坊

前と左右の家が塗装した。後ろは畑だから新しい装いに囲まれてしまった。これまでもぽつぽつと塗り替えられているのを見たが、攻められて王手になった。18年前、山を崩して住宅街が形成され、国立市から移った。

住宅街ができるまでは、八高線の八王子から二番目の駅の南側に改札口は無かった。秩父セメントの工場があり、積み出しの駅であった。移り住んだ時には、工場の建物は残っていたが、操業はしていなかった。18年前である。

毎日、塗装屋のチラシが舞い込むようになった。時にはインターホンで玄関口に呼び出されることもある。しまいには映像を確認して、居留守を決め込むようにしていた。どの家も17、8年経っているので、塗装屋にとっては垂涎の地域だ。宝の山だ。

息子の友達に板金屋がいる。板金屋のAは中学の時も高校の時も国立の家に遊びに来ていたので良く知っていたが、その頃から30年近く経っている。しかし、挨拶に来たAを見てすぐに分かった。面影がある。持ちつ持たれつのAの仲間に塗装屋もいた。

腕の良い塗装屋を紹介してくれた。職人を雇わずに仕事をしていたから、腕は親方がすべてである。話しぶり仕事ぶりに不安はなかった。

新築の一戸建ての色は白を基準にして明るい色がほとんどだが、塗り替わりに変える。若い人は濃い色を好み、紫系や青系も見かける。山吹色や萌黄色も多い。街が変わりつつある。私は齢なので冒険はしない。屋根をモスグリーンに壁は少し緑かかった白にした。

築18年 塗装屋が姦しい   酒坊