四季酩酊 第128回
酒坊
平成30年の暮れも押し詰まってやっと鹿児島の日本酒を手に入れました。鹿児島では40年前に日本酒を造る蔵が閉鎖された。酒母を造る段階で低温の状態が必要であり、酒造りには温度管理が重要である。暖かい土地においてそれは非常に難しい。そうした中、生まれたのが焼酎である。
清酒の製造再開の理由は、焼酎にあった。新たな焼酎造りの為に濱田酒造は金山蔵で清酒を作り始めた。女性杜氏が中部地方の蔵元まで出向き、修行を重ね薩摩の清酒を造り上げたのだ。
「金山蔵」で日本酒を造っているが、濱田酒造には他に2つの蔵がある。「伝兵衛蔵」と「傳蔵院蔵」で傳蔵院蔵の芋焼酎「海堂」や「隠し蔵」は飲んだことがあった。
薩摩藩を支えた金・銀を採掘した串木野鉱山の坑道を利用して熟成させている。この坑道は延べ120㎞にも亘るという。
冷やで呑んだ。色は無色透明。口に含むと奥に酸味と渋味が広がる。呑み込むと甘味を感じる。九州の酒でこれは上出来だと思う。どこの伏流水を使っているのか解からないが、仕込みの水がうまく合っているのかも知れない。
これで47都道府県の日本酒の家呑みが達成しました。これからは、自分に合った酒で旨い肴でちびりちびりとひとり酒を楽しみたいと思います。
西郷どんに呑ませたかった純米酒 酒坊
【ご参考】
※銘柄名「純米 薩州正宗」生貯蔵酒
※酒蔵「薩摩金山蔵株式会社・鹿児島県いちき串木野市野下」
※原料「米(国産)・米麹(国産)」
※精米歩合「70%」
※アルコール度数「15度」
※製造年月:2018.11