小杉さん

4049 橋爪静夫


今から40年ほど前、私は事務機販社で甲府に勤務していた。この年、国内に7つあった事務機販社が統合され2販社体制になり、隣の長野営業所に小杉大四郎さんという一風変わった所長が新潟から転勤してきた。私が以前長野営業所にいたこともあり、面識は無かったが電話がよく掛かってきて情報交換をしたが、その会話の中で『俺は長野コクヨ(大手取引先)を見下ろす高台に家を建てた』と自慢げに語っておられた。建てて直ぐ彼は東京支店(江東ビル)に転勤になり、数年後追いかけて私も支店勤務になり親しくなった。
その年に長野市の善光寺裏山の地滑りが起き、彼の自宅のすぐ先から家々が次々と飲み込まれた。まさに「崖っぷちに建つ」ことになったが泰然自若として運の良さを語っていたのを覚えている。また、彼には独特の人生観があり、不動産の所有などいろいろ教示頂いたが、当時私も若く考える余裕はなかった。
暫くして彼から、長野に帰省の折に立ち寄った農協で山林が売り出されているのを見かけ、飯綱高原の山林を購入したと聞かされたが、なんとその後長野オリンピック招致が決まり、一帯がモーグルなどの会場に決まったのだ。
会場設営を国から請け負った西武系の企業の買収交渉には応じずオリンピック期間中山林を貸出して利益を得たと聞いたが、思惑があったと知ったのは後からだった。
販社統合があり、その後は彼と職場を一緒することはなかったが、最後にお会いしたのは今から20年ほど前、彼が定年を前に退職するにあたり本社に挨拶に来られた時で、連絡を受け先輩のY氏とささやかな送別会を本社近くの小料理屋で開いた。
その時聞いたのは、件の飯綱高原に別荘を自分で建てる為に、木曽谷で木工技術を学ぶということだった。その先のことは語らなかったが、1年ほど経って今度は岐阜県で陶芸を学んでいると便りがあり、更に暫くして山林を重機に乗って整地している写真がメールで送られてきた。
今では交友も無く、消息も絶えていたが25周年投稿テーマに“あの人は今”があることから彼のことを思い出し、ネット検索をしたところ添付の懐かしい顔が出てきた。
私より数年先輩(?歳)の今もなお陶芸家として活躍されている様子で感心したが、若い時教示いただいた「会社の経営計画を立てるのと同様に自分の生涯の経営計画を立てなさい」という言葉通り実践している小杉さんに比べ、我が身の無趣味が悔やまれる。機会があれば作品を観に「大地工房」を訪ねてみたい。

小杉さん への4件のコメント

  1. 成田征二

    小杉さん、よく知ってます。
    シャープビジネスの長野営業所長(?)時代、販売店によく一緒に行きました。特徴のある方でした。
    そのころ、私の家族で白馬に旅行した時、長野で立ち寄った市場(今で言う道の駅)で、偶然に小杉さんにお会いしたことを覚えています。
    今どうしていらっしゃるのかしら? 

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  2. 伊藤文夫

    小杉さんは今どちらで元気で生活しておりますか?宮城県の伊藤文夫です。

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    1. 橋爪静夫

      伊藤様
      詳しくは判りませんが、長野市在住で飯綱高原に「大地工房」という名前の陶器の窯で作品を制作されているようです。定期的に近隣の会場で作品展も開いているようです。

      返信

      1. 伊藤文夫

        橋爪支部長殿
        おはようございます。小杉さんについては大変お世話になりました。ありがとうございます。
        別件ですが、小山正夫さんが逝去されなしたが病名をお知らせお願い申し上げます。小山正夫さんとは事務機福島、郡山で大変お世話になりました。ご冥福をお祈りいたします。

        返信

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