句集を編む

投稿者:2604 上原 稔


定年退職後の64歳の時に(2007年11月)「とうりゅう会(川柳)」が社友同好会で発足し入会する。川柳を知らなかった私が17年も続いた。「人間を詠む」川柳は奥深い。柳社も4社に所属し、各地の大会にも参加した。

奈良県に住むI氏の手作りの句文集に刺激を受けた。文庫本の半分位の版で掌にしっかり収まって心地よい。川柳だけの本なら飽きるが、間にエッセイがあり味のある文で飾られていた。作ってみたいという欲望が襲った。47歳の時に上梓した短編小説集「奇妙な関係」は出版社からだったが、今度は自分で作る。

句文集「塵裡偸閑」(110頁)は2023年7月にでき上った。ポケットに忍ばせていつでも取り出せるハガキの大きさにした。少しずつ作り、今年の4月7日で105冊配った。この句文集の中味は、川柳大会に入選した句を168句、箸休めに社友Tokyoの「四季酩酊」に連載していたエッセイを15編ほどちりばめた。率直に言って高評価だった。それは句集の概念から少し外れていたからだ。川柳だけ300句も入れたら飽きてしまう。I氏のお陰である。川柳よりエッセイの評価が高かった。大阪の柳人は「朝日カルチャー」の教科書として使ってくれた。
味を占めて今夏に、第2弾句文集「一杯一杯復一杯」李白の漢詩をタイトルに、酒だけを詠んだ162句、そして間には「四季酩酊」に書いた酒のエッセイを挟む。120頁を超えるかも知れない。猛暑の中製作中です。

今年は他に合同句集だが「東京川柳作家名鑑」(新葉館出版)と、所属している柳社「東京みなと番傘川柳会」の創立60周年記念大会に合わせて10月に合同句集「出航」が発刊されます。今年4月で81歳、まだまだ現役です。

これがまあ終の遊びか五七五     稔

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