「苦労話」編

1313 成田征二


 1973年、シャープは「単3電池1本100時間」をキャッチフレーズに、世界初となる液晶電卓を発売し、電池の消耗量は、それまでの 1/25 に低減したのです。
そこから携帯用の情報端末へと繋がり、現在のスマホへと進歩していくのですが、その過程で生まれたのが「ザウルス」でした。
これをPDA(パーソナル・デジタル・アシスタント)と呼び、個人用として普及しましたが、業務用にも使えないかと、営業本部にプロジェクトチームを立ち上げ、そのチーフとして私が任命されました。

それに真っ先に飛びついたのがビール業界でした。
ビールの売り上げは、お店での陳列状態によって大きく変わるそうで、ビールメーカーの調査員が店頭の陳列状態を調べる為に、自社のカスタムソフトを搭載し、キリンとサントリーが、大量のザウルスを導入してくれました。 
 ここで困った事が起きたのです。
ソフトの打ち合わせを兼ね、奈良工場にお招きするのですが、夕食時のレストランにサントリービールが置いてない。
同じく、キリンのウィスキー(シーバース)を置いてない店も多く、両社とも自社ブランドのものでなければ絶対に飲まない。

 困った担当者は事前にお店に行って、臨時に夫々のブランドのものを購入してもらい、事なきを得たものでした。
それにしても、「ライバルのブランドのものは絶対飲まない」と、徹底していましたね。

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