1313 成田征二

EL-8130
液晶電卓の出現により、電池の寿命は大幅に伸び (当時の電卓の約25倍)、外に持ち歩くことが多くなったため、電卓は 「より小さく、より軽く」 がテーマになってきました。
しかし操作性から考えると、キーを打つ最低限の寸法が必要となりますので、大きさには限界があります。そこで、シャープが考えたのが厚みでした。厚みは、どんなに薄くても操作性には関係はなく、軽くなる程、商品価値が上がります。 そこで考えたのがキーをなくす、即ちキートップレス電卓でした。
ある日、技術部長がポケットからなんやら取り出して 「成さん、こんな電卓どうや?」 私はその頃、営業企画を担当していて、商品企画にも参画していました。
「これはあかんで!! キーを押した感覚がなく、本当に正しく入力したかどうか分らんやろ」、それから数日後「成さん、これならどうや!! 音を出してみたよ」、「オッ、これはいけるぞ!!」、キーを押すと、ピッ・ピッという音が付いていました。
これだとキーを押した感覚があります。
こうして生まれたキートップレス電卓は、「ボタン戦争は終わりました」のコマーシャルと共に、大ヒットしたのです。その後の手帳式電卓は、キートップレスが主流となりました。
