とほほ 入れ歯のお世話に

四季酩酊 第110回

酒坊

奥の歯茎が膿んでいる。臭いも感じられる。歯茎を指で触れたのを嗅いでみるとやはり臭う。妻とは間近で会話をするが何も言われない。出血も無いし、歯がぐらぐらしているわけでもないが、膿んでいる感じがする。銀歯の中だ。
歯周病や歯肉炎に効く薬用歯磨きに併せて、洗口剤のリステリンで小まめにケアをしてみた。虫歯をそれで治した経験があったからだ。しかし、2が月経つと痛みが出てきた。

やむなく行きつけの歯科医でレントゲンを撮ると「欠けているね」と言われ、銀歯を外して欠けた歯を取り出した。とても痛かった。
医者「痛かったら、手を挙げてって言ったのに」
俺「どこが限界か判らない。それに男だから我慢をしなくては・・」
看護師の笑う声を聞いた。歯は見事に4つに割れていた。
医者「入れ歯ですね」
俺「入れ歯ですか・・・」
穴が2つ空いたので、歯を被せることが出来ない。部分入れ歯と聞いたときショックだった。そろそろ終活の時期だと思った。

空いた歯肉の安定を見て、型をとり8月9日に入れ歯が出来上がった。嵌めるとどうしても違和感がある。上の歯と合わせると歯茎が痛い。こんなんで噛めるものではない。家では外した。翌日、調整をすると大分楽になり、終日入れっぱなしでも違和感がない。病院の盆休み後に再度調整をする。

74歳の齢相応だと思うが、入れ歯は考えてもいなかった。ずぼらな私には面倒な事に、食事後に外さなければならない。純粋な歯と一緒には磨けない。外して、別々に歯をきれいにする。寝る前には、今までコマーシャルをスルーしていたポリデントの洗浄剤のお世話にならなければならない。面倒な事が増えた。

借りものになってしまった自慢の歯  酒坊

「とほほ 入れ歯のお世話に」への6件のフィードバック

  1. 成田 さん
    入れ歯が愛おしいとは詩人ですね。私も愛でられるようになりたいと思いますが、これ以上増えないように歯のケアをしっかりしていきたいと思います。
     「歯を外し眼鏡もはずし明日を待つ」
    佳吟ですね。

  2. 酒坊さん
    70歳を過ぎて、入れ歯に情けなく感じるのは贅沢ですね。私は元来歯が弱く、気が付いた時には自分の歯は約半分でした。
    当然入れ歯をしているのですが、慣れてくるとこれがまた可愛いものですよ。
    何より夕食後に歯を外すと、ゆったりとした解放感があります。
    私が歯を外すのを見ていた孫が、自分も歯を外すと言ってぐずったことを思いだします。その孫も今年成人式を迎えました。
       歯を外し眼鏡もはずし明日を待つ

  3. 小松 さん
    穿ちがあって中々、いい川柳ですね。
    入れ歯は手入れが面倒です。食事後に外して洗います。寝る前には、ポリデントで洗浄したりします。これ以上、疑似歯にならないよう頑張ります。
    歯も毛も無くなってきましたが、まだ先があると信じている酒坊です。

  4. 「目・歯・〇〇?」(〇〇は意味深言葉でしょう?)
    私の場合の「歯が無い、毛が無い、先が無い」(きみまろさんの仰る通りです)
    よりは、差し当たっては入れ歯でしょ、その内我が分身に思うようになりますからせっせと磨くようにまると思いますよ。
    アッ!入れ歯は虫歯にはなりませんですから磨くことも又アルコール消毒も必要
    無いと思うのですが如何でしょうか?
    最近読んだ川柳でこんなのが有りました
     「人の歯で飯を食ってる歯医者さん」

  5. 昔から「目・歯・〇〇?」or「歯・目・〇〇?」なんという言い伝え?伝承?諺ではないか?若い時に飲み仲間と酒の肴にしたもんだ!!人によってその順番が違うかもしれないが……どうも貴殿は歯から来たらしい?

    1. 石倉 さん

      ショックですが恐らく一日も休まず酒歴50有余年の罰が当たったのかも知れません。鰹節屋の息子であった私は、小さい時から煮干しをバリバリ食っていて歯は丈夫でした。昔、歯医者に「ずいぶん固い歯だね」と褒められた?ことがあります。その医者は堅い歯に手こずっていたものでした。
      何はともあれ、借り物の歯と親しくしていかねばなりません。大好物の煎餅が食べられなくなるなんて恐ろしいことです。
      歯医者を信じて「入れ歯」を「自分の歯」にしていただくつもりです。

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